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Research on Researchat (1)

Researchat.fmのおすすめ回を紹介します。前編(研究のはなし)

はじめに

Interaxion PodcastEp.7は個人的に好きな回で、ブログで以前に記事を書いていたし、今でも時々BGMにしている。 上のツイートを見たときに、Researchatのおすすめならいくらでもできますと息巻いた手前、本家からのお墨付きももらえたことから個人的なおすすめエピソードを紹介してみたい。

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Researchat.fmとは"バイオロジーの研究者3人がアツいと感じていることを自由に話すポッドキャスト番組です。" 記事執筆時点での総エピソード数が115ということで、あれもこれもと選んでいたら膨大な数がおすすめ候補に出揃ってしまった。うまく紹介できる範囲内にとどめるうえで、頑張って絞りに絞ったエピソードを紹介していきたい。

TL;DR

  • 研究のはなし:エピソード4, 56, 66, 52をおすすめ

研究のはなし

Researchat.fmではそのタイトルにある通り、researchすなわち研究がポッドキャストのテーマ(のひとつ)になっている。 より細分化するとバイオロジーという分野があるのだけど、僕はこの領域にあまり明るくないので、ここでは研究において一般的・普遍的なエピソードを取り上げた。 バイオロジー関連のエピソードについては、強い人たちがまた新たにまとめておすすめしてくれることを期待したい。

ということで、どんな研究を始めるにもまず必要なのはインプット、取り組もうとする分野での論文や参考書を読んで土台を作るところだと思うけれど、序盤のエピソード4 (2019/03/24) ではそうした情報の探し方、おもに論文収集と情報共有の方法が紹介されている。

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紹介しようと思って聴き直してみると、情報共有のためのSlackの話なんかはCOVID-19を経てチャットツールの重要性が増した今でこそ面白いなと感じる。 前半で話されているiPadを論文読み(&お絵かき)に活用する話は次のエピソード56(Ep.39 (2019/12/30) にも買ってよかったもののひとつに登場)、そしてキーボードの話は本シリーズ後編で紹介するエピソード10、ツールセットの話へと繋がっていく。

首尾よく資料を見つけられたら読んでいくわけだけど(論文の読み方についての話題はEp.57 (2020/05/13) にある)、文献の数が増えていくにつれてとっ散らかっていくのは世の常なので、これらを適切に管理していくやり方が求められる。 あるいは資料を参考にして実験なりシミュレーションなりを試行した場合には、それらのデータも適切に管理していかないといけない。 エピソード56 (2020/05/05) ではそうした論文管理やデータ管理の具体的な方法が議論されている。

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論文管理の方法ってあまり他人に訊かない(あくまで個人的にだけど、なんかちょっとだけ心理的障壁がある)ので、分野が異なるとはいえこの回で紹介されている内容は学びが多かった。以前の記事で以下のように書いていた:

命名則もそうだけど、番組で紹介されていたデータ管理手法がとても参考になった。作ったスクリプト類やドキュメントについては、保存はしていても整理は全くできていなくて、改めたいと思いつつすでに幾年が過ぎた。パーソナリティの方々の議論を聴いていて、もう少し抽象化したところとして、

  • 事実(=生データ)と解釈(=ドキュメント)、およびそのあいだに生じる中間データの分離
  • スクリプトから自動生成されるものと、人間がプロトコルをもって立ち向かうことで生成されるものの分離
  • 思想の凍結(=自作・他作ですでに形となったもの)と流動(=現在進行系で形作っているもの)の分離

あたりがキーになるのかな、という感触を得ている。いずれにせよ、みんながどうやって管理しているかはまさに聴いてみたいところだったので、興味深く聴いた。

――The Art of Scientific Crafting - 雛形書庫

エピソード56はラボでの記録であるラボノートの取り方を議論しているのに対して、より汎化したノートの取り方について話しているのがエピソード66 (2020/07/24) になる。

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アナログで記録を取るための紙(ノート)と筆記用具についての話がメインになりつつも、そこからリンクする周辺の話題、『舟を編む』や梅棹忠夫、『ツィゴイネルワイゼン』、等々への繋がり方が心地よい。 当時この回のハッシュタグを追いかけていたところ、みんなが使っている色々なノートが見つかって面白かった。 僕もツバメノートを紹介させていただいた。ツバメノートの公式サイトはシンプルな機能美(ここ最近では見かけないやつ)が感じられてよい。

このツイートのスレッドで書いたんだけど、紙に書くことによるフィードバックを記憶の頼りにしている部分が個人的に大きい。エピソードでも語られている通り、これがもう少し下の世代、デジタルがより普及した環境で育った方々におかれてはどうなのだろうというのは気になるところ。

あとは個人的に興味深かったのがエピソード52 (2020/04/12) で、スーパーコンピューター京を使った機械学習の話題。

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京に関係した話だけでなく、機械学習についても一通り解説されていておさらいできるのでありがたい。 京からその後の富岳に置き換わったあとの様子もまた聴いてみたい。京と違って富岳ではコンテナとしてSingularityが使えるようになっているはずだけど(参考)、パフォーマンスを出そうとすると直にノードで動かしたほうが良いのだろうか? あとはArmベースのCPUでの違いなどなど…

なおエピソードでも話題になっていた「京コンピュータ前駅」は今年6月に改名されて「計算科学センター駅」になったそう(参考)。

おわりに

Researchat.fmでの研究面でのおすすめ回を紹介した。 このように研究についてのエピソードが充実している一方で、実はResearchat.fmはゲームについても話してくれるところが個人的に大変よいと感じている。 この記事に続く中編ではゲームに関連したエピソードを紹介できればと思う。■

tl.hateblo.jp