雛形書庫

An Unmoving Arch-Archive

本読み: 手を伸ばせ、そしてコマンドを入力しろ

普段は同じ著者の電遊奇譚 (単行本)を読みがちだけど(ひとつひとつの物語が短いのでさっと読める)、今回読み直してみたらFPSにおけるチーム戦の描写のすごみ、熱量に圧倒された

はっきり言って、このゲームで強くなったからといって、誰かが金をくれたり、生活していけたりするわけじゃありません。(中略)ただ大切なのは、何かひとつのことを僕はここまで突き詰めてやったんだということなんです。――自負です。それは自負のようなものなんです。それがあれば、いつかこのゲームを辞めることになっても、その自負が僕の背中を押すと思います。そうだ。だから僕はこのゲームをプレイしつづけているし、誰よりも強くなろうとしつづけているんです (p.122)

このくだりはさきの電遊奇譚の記念すべき初回である其一にも出てくる。 そういった自負に生かされる場面もあるのだと思う

また藤田氏の作品が読みたいのだけど、別冊文藝春秋 電子版35号 (2021年1月号) (文春e-book)での連載第二話以降はあまり書いていないのかな。 ゲームレビュー等々の寄稿は最近もあるみたいだが、まとまった形の書籍として手に入らないのはなにより残念だ

寡作の作家、というと南井大介を思い出す。 ピクシー・ワークス (電撃文庫)小さな魔女と空飛ぶ狐 (電撃文庫)の2冊が出たのち、それらとは少し方向性の違ったラノベを数冊出して以降は音沙汰がなくなってしまった。 とくに2冊目にあったテーマはわりと重いもの 1 だったので、あまりラノベ向きではなかったのかもしれないが、いずれにせよまた機会があれば読みたいものである。そのときは表紙はまた大槍先生でお願いします…

以前に書いていた気もしていたので過去記事を検索してみたらヒットした。その記録として

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