それとは別に、アンリアルライフ 1 を遊んだときに出てきたフォントが気になっていた。
これは…夢でみた内容を書いてるノートだよ。
――hako 生活『アンリアルライフ』
漢字がやや大きめ(かな文字がやや小さめ)な注意を引くバランス 2 は、調べてみるとほのか新アンティーク丸かなという感じがしていて、しかし調べる途中で見つけた刻明朝あるいは刻ゴシックのフォントがとても気になってしまった。 そこで手元にあるビジュアルノベルのフォントを軒並みこれらに変えてみた。
ビジュアルノベルのフォント設定について調査した結果、大きく分けて以下の (1) から (4) に分けられることがわかった: それぞれ見ていくことにする。
- (1) フォント変更不可
- フォント変更可
- (2) 等幅フォントのみ設定可
- 等幅とプロポーショナルフォントいずれも設定可
- (3) プロポーショナルフォントでは少しぎこちない表示になる
- (4) プロポーショナルでもきれいに表示される
(1) フォント変更不可
一部のゲームでみられた環境であり、ユーザー側では表示されるフォントをそのまま受け入れるしかない。 フォントにまでこだわってゲームの世界観を演出する意図がある、もしくは単にシステム面が貧弱であるがゆえにフォントが変更できない、といった事情が考えられる。
(2) 等幅のみ設定可
フォントは変更可能であるものの、選択できるフォントの数がやけに少ないなあ…と思ったら等幅フォントのみが選択できるようになっていた。 手元の環境ではこのタイプのゲームが最も多かったように思う。
(3) プロポーショナルフォントでは少しぎこちない表示になる
プロポーショナルフォントも選択できるようになってはいるが、等幅フォントでの表示が前提になっているらしく、文字の隙間が少しぎこちなくなるケース。
(4) プロポーショナルでもきれいに表示される
このケースが最高形であり、ここまで対応しているメーカーには感謝したい。 例として『いろとりどりのセカイ』 3 での一場面は次のように印象が変わる。UDデジタル教科書体と比較してみましょう。
『いろとりどりのセカイ』(C)FAVORITE(ガイドラインに基づいて引用)
↑UDデジタル教科書体 刻明朝 Regular↓
『いろとりどりのセカイ』(C)FAVORITE(ガイドラインに基づいて引用)
「人間の精神の尊厳は過去の記憶の積み重ねで構成されている、というような事を誰かが言っていた」――FAVORITE『いろとりどりのセカイ』
同じくFAVORITEの『さくら、もゆ。』でもきれいに表示される。 これまではUDデジタル教科書体で読んできたけど、刻明朝もよい。
『さくら、もゆ。』(C)FAVORITE(ガイドラインに基づいて引用)
↑UDデジタル教科書体 刻明朝 Regular↓
『さくら、もゆ。』(C)FAVORITE(ガイドラインに基づいて引用)
「うん。だからそれは、大雅。やっぱりきみが全部食べてほしいんだよ。……今日はとっても、特別な日だから」――FAVORITE『さくら、もゆ。』
これ以外にもうまく表示できたゲーム(文字のみ)
(少しだけぼやっとしている)
「世界にわたしと森羅の2人だけだったらよかったのに」
「わたしと律だけの世界だったら、よかったのにね」
上のふたりはなんで同じことを言ってるんだろう…? と思ったら、同じシナリオライターが書いているのだった。
なお同じPurple softwareでも『ハピメア』は上記 (3) に該当することを確認している(おそらくシステムが古くて可変幅に対応していない)。 タイトルフォント的な意味ではハピメアこそ刻ゴシックで読みたかった
- 幻想日記、それと本読み - 雛形書庫↩
- このフォントを見たとき、表意文字を大きく強調することで速読が可能になるのでは、という仮説が思い浮かんだ。今回のビジュアルノベルとはまた別の読み物でも試してみたいと考えている↩
- 書庫2022 - 雛形書庫↩